探検隊長が行く!
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男のロマン ウメモドキの庭
2011.10.14
ずいぶん前に 岩手の遠野へ 山取の雑木探しに通ってました。京都で作庭するとき 樹木は決まって、黒松 槙が庭の主人公でそれが当たり前だと思ってました。いつも遠野の山に行くときは 地元の井出さんと一緒でした。その当時、見たこともないし、聞いた事もない雑木がたくさんありました。サワフタギ、オオモミジ、ウリハダカエデ、ウグイスカグラ 京都の材料屋さんでは、およそ見られない雑木ばかりでした。北上産地の山の中で、 大木の真っ赤な実のついた、ウメモドキ見つけて感動したんです。
その木 株立ちで 樹高が6mくらいで、葉張りも6mもあり おまけに樹齢がわからない位の古木で何度も何度も鎌で幹を切られてそれにも負けず足元から何本もの幹が出てました。 その当たりの木々の中で間違いなく、主役でした。どうしても欲しくて、掘り起こして京都まで、運ぶ事できますかって聞いたんですが、もう買い手決まってますとの事でした。遠野の某有力者(名前は忘れた事にして下さい)特にウメモドキが好きで、古い木 全部買い取られるそうでした。その方の庭すべて、ウメモドキだけの庭を作られてる、途中との事でした。ちょっと驚きの発想でした。 私の感覚では石があり 樹木があり 苔があり 灯籠があり 砂利があり 竹垣があり 始めて 庭物語だと思ってましたが、でも日本には四季があり、1本の樹木にも物語があった事、知りました。残念ながら その庭拝見することができませんでしたが、その方の男ロマン、一人感じてました。変ですよね。
普通なら庭の隅の方に植えられる木ですが その方の発想はウメモドキが主人公です。
借景は漆喰の壁だけで 苔庭にして ウメモドキ見ながら、時々赤い実 食べにくる鳥と一緒にお酒が飲めたら、贅沢ですね。
そんな庭作ってみたい、と思ってます。